芥川龍之介作、揖保の糸。
この中で主人公のカンダタは釈迦が垂らした揖保の糸を見つけ、極楽へと上って行った。
しかし途中で振り返ったとき、糸には多数の亡者が群がっていた。
そこで彼は「この糸は俺のものだ!お前たちは誰に聞いて上ってきた!下りろ、下りろ!」と喚いた。(Wikipediaより抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%98%E8%9B%9B%E3%81%AE%E7%B3%B8
結局彼の上で揖保の糸は切れてしまい、再び地獄へと戻ることに。
哀れ希望の光には手が届きませんでしたとさ、というお話。
しかしながら...うーん。
あの場で一体彼は何を言えば良かったのだろう?
切れると困るから一人ずつ順番を守れ。
ちょっと違うような気がするな?
もしそれで全員上がっても極楽だって定員オーバーになる。
釈迦だってそれがわかってるだろうから、間違いなく途中で切るだろう。
それをカンダタが救おうとしたら、やっぱり地獄へ戻る気がする。
お前は善悪の判断がつかないのか、とか言って。
もし無言で進んでいたら。
せっかくの揖保の糸が、亡者の重みで切れるかもしれない。
そうすると結局は地獄へ落ちることになる。
そもそもの話、あれは本当に極楽へと続く糸だったのだろうか?
釈迦の起こした行動や心境が非常に謎だ。
まぁフィクションに突っ込みを入れても仕方がないのだけど、どうも昔から気になってしまう。
彼はどうしたら極楽へと辿り着いたのだろう?
結局はその先に居るものに啜られてしまうと思うんだよね。
黒くて暗い底から救われたとしても、極楽と思っていた先で食らわれる運命だった。
そう考えると釈迦の気まぐれに振り回されたと考えるのが一番かもしれない。
どちらにしてもだし抜いてしまえば味気なくて食えない結果となる。
夏の朝、月もない空を目指してもしょうがなかったんでしょう。
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